令和3年2月
Ver2021
 
 
 

 
 
   <目次>
 
 
第0章 はじめに
 0−0 会社名について
 0−1 業界勢力地図
 0−2 出資社別勢力地図
 0−3 料金時間帯
 0−4 通話料金の比較について
 0−5 略称考察
 
 

 
 
第0章 はじめに
 
0−0 会社名について
 
 アルファベットの会社名や略称については、3文字以内のものは全角、3文字以上のものは半角で表記している。
 平成14年11月1日より前は、ローマ字(アルファベット)を商号として登記できなかった。このため、アルファベットを使った会社名も登記上はカタカナだった(例:KDDI株式会社→「ケイディーディーアイ株式会社」など)。この文章では、本来はアルファベット表記すべきだがやむなくカタカナで登記したと思われる会社名については、平成14年11月1日より前でもアルファベットで表記している。また、会社名の「株式会社」については特に必要な部分を除き省略している。
 かつては、法律上の規制のためかどうか分からないが、移動通信機器会社の多くは地域ごとに分かれていた。○○の所に、地域名が入る。例:ドコモ○○ドコモ北陸ドコモ中国。ただし、NTTドコモの東京付近の会社は地域名が入らず無印「NTTドコモ」だった。ただし、この文章では便宜上「NTTドコモ中央」と呼ぶ。
 本文中では、識別番号を【】で、会社名を〈〉で、出資母体or系列の電話会社を〔〕で、ルーツとなるものを(←)で表す。
 
 
0−1 業界勢力地図
 
★地域系電話会社
 
 ☆旧電電公社
識別番号 略称 会社名 出資母体or系列の電話会社
0036 NTT東日本 東日本電信電話 NTT
0039 NTT西日本 西日本電信電話 NTT
 電力系新電電の成長が今一つのため、ほぼ独占状態である。元はNTT〈日本電信電話〉一社であったが、平成11年7月1日、NTT東日本NTT西日本両社が地域業務を引き継いだ。
 
 
 ☆電力系新電電
識別番号 略称 会社名 出資母体or系列の電話会社
  HOTNet 北海道総合通信網 北海道電力
  TOHKnet 東北インテリジェント通信 東北電力
0081
 

(←TTNet)
楽天コミュニケーションズ
(←東京通信ネットワーク)
楽天
(←東京電力)  
  HTNet 北陸通信ネットワーク 北陸電力
  CTC 中部テレコミュニケーション KDDI・中部電力
    オプテージ 関西電力
  エネコム エネルギア・コミュニケーションズ 中国電力
  STNet STNet 四国電力
0086 QTNet QTNet 九州電力
  OTNet 沖縄通信ネットワーク 沖縄電力
 上記らは特に「電力系新電電」とも呼ばれる。電力会社は発電量の管理などに使うため、発電所間などに光ファイバー網を持っている。さらに、送電線・配電線ぞいに光ファーバーを引くこともできる。それらの一部を利用して、電話事業を行っている。
 東京電力系の新電電としては、TTNet〈東京通信ネットワーク〉があった。TTNetは平成15年4月1日、パワードコムと合併。社名をパワードコムに変更した。平成18年1月1日、パワードコムKDDI〈KDDI〉〔京セラ・トヨタ系〕に合併されたが、電力系新電電の電話事業であった「東京電話」は平成16年7月1日にfusion〈フュージョン・コミュニケーションズ〉に譲渡された。fusionは東京電力が筆頭株主であったが、平成19年7月31日に全株式を楽天に売却。楽天傘下となった。平成27年12月1日に楽天コミュニケーションズに社名変更している。
 現在、CTCの筆頭株主はKDDI〈KDDI〉〔京セラ・トヨタ系〕だが、中部電力も出資している。
 OMP〈大阪メディアポート〉〔関西電力系〕は平成16年12月1日、ケイ・オプティコムに合併。平成31年3月1日、オプテージに社名変更した。
 CTNet〈中国通信ネットワーク〉は平成15年7月1日、CIS〈中国情報システムサービス〉に合併。会社名をエネコム〈エネルギア・コミュニケーションズ〉に変更した。
 STNet〈四国情報通信ネットワーク〉は平成14年4月1日、正式名称をSTNetに変更。
 QTNet〈九州通信ネットワーク〉は平成29年7月1日、正式名称をQTNetに変更。
 
 
 ☆CATV系新電電(詳細不明)
識別番号 会社名 出資母体or系列の電話会社
  J-COM東京 ジュピターテレコム
  LCV TOKAI
  イッツ・コミュニケーションズ 東急
  近鉄ケーブルネットワーク 近鉄 
 電話サービスの取り扱いがあるのは「タイタス・コミュニケーションズ」と「杉並ケーブルテレビ」のみだった。いずれも現在はJ-COM東京になっている。LCVは旧社名レイクシティケーブルビジョンJ-COM東京は「杉並ケーブルテレビ」と「ケーブルテレビネリマ」が合併してできた会社。「タイタス・コミュニケーションズ」はJ-COM関東J-COMイーストと改称した後、J-COM東京に合併されている。
 〔ジュピターテレコム〕はケーブルテレビ統括運営会社、出資元は、〔KDDI〕と〔住友商事〕。
 LCVはかつて〔日刊写真通信社〕が主要株主だった。
 
 
★長距離系電話会社
識別番号 略称 会社名 出資母体or系列の電話会社
0033 NTT Com NTTコミュニケーションズ NTT
0070(終)
 
KDDI
(←TWJ)
KDDI
(←日本高速通信)
京セラ・トヨタ
(←トヨタ自動車、道路公団)
0077
 
KDDI
(←DDI)
KDDI
(←第二電電)
京セラ・トヨタ
(←京セラ)
0088
 
ソフトバンク
(←JT)
ソフトバンク
(←日本テレコム)
ソフトバンク
(←JR)
001(終)
 
KDDI
(←KDD)
KDDI
(←国際電信電話)
京セラ・トヨタ 
 
0061
 
ソフトバンク
(←C&W IDC)
ソフトバンク
(←ケーブル・アンド・ワイヤレスIDC)
ソフトバンク
(←C&W)
0038
 

(←fusion)
楽天コミュニケーションズ
(←フュージョン・コミュニケーションズ)
楽天
(←日商エレクトロニクス)
0083 (←平成電電) ソフトバンク ソフトバンク
009191
 
ぷらら
 
NTTぷらら
(←ぷららネットワークス)
NTTドコモ
(←NTT東日本)
0060
(←メディア)
アルテリア・ネットワークス
(←メディア)
丸紅
(←USEN)
 NTT Comは旧電電公社のインフラを使っている。電話会社選択サービス「マイライン」導入までは電話番号の前に何もつけずにダイヤルすると、NTT Com経由で通話することになる。
 その他の電話会社は、それぞれの資本母体が独自に持っているインフラをうまく利用することで、NTT Comよりも安い通信費を実現している。一般加入電話に対してのみ、サービスを行っている。
 また、その他の電話会社の資本母体にもなっており、大体の場合系列の中心会社になっている。
 平成10年12月1日に、【001】・KDD〈国際電信電話〉と【0070】・TWJ〈日本高速通信〉が合併、KDD〈KDD〉となった。これに伴い、KDDは【001】「001番1円電話」(←国際電信電話)と【0070】「0070市外電話」(←日本高速通信)の両方の長距離通信サービスを行うことになった。日本高速通信は、「テレウェイ」の名前で広告していた。「001番1円電話」は最低料金が1円で無くなったことから、「001番市外電話」と改称している。
 NTT Comは平成11年7月、NTT分離分割に伴い、NTT〈日本電信電話〉から長距離業務を引き継いだ。〔NTT〕は持ち株会社として存続している。
 平成12年10月1日に、【0077】・DDI〈第二電電〉とKDD〈KDD〉が合併。KDDI〈DDI〉となった。通称KDDIを使っているが、この時点では正式名称は株式会社DDIだった。正式名称がKDDI株式会社になったのは平成13年4月1日。この結果、KDDIは【0077】「0077市外電話」(←第二電電)、【001】「001番市外電話」(←国際電信電話)、【0070】「0070市外電話」(←日本高速通信)の3つのサービスを行うことになった。なお、KDDIは平成13年10月1日に、系列の携帯電話会社au〈エーユー〉を合併している。「0070市外電話」は平成14年6月末で終了、「001番市外電話」は平成17年8月末に終了しており、現在提供している中継サービスは「0077市外電話」のみ。
 一方の【0088】・日本テレコムは、社名は変わらなかったが、出資母体は21世紀に入ってから〔JR〕→〔BT〕、〔AT&T〕→〔ボーダフォン〕→〔リップルウッド〕→〔ソフトバンク〕と大きく変わった。その後、平成18年10月1日にソフトバンクテレコムに社名変更。平成27年4月1日にソフトバンクモバイルに合併、同年7月1日にソフトバンクに社名変更した。
 平成12年12月1日、【0061】・C&W IDC〈ケーブル・アンド・ワイヤレスIDC〉〔C&W系〕が国内参入。平成17年2月17日、社名を日本テレコムIDCと変更し、ソフトバンク系となった後、平成17年7月1日、日本テレコムに合併された。現在はソフトバンクになっている。
 平成13年4月1日、IPネットワークを使った新規参入業者として【0038】・fusion〔日商エレクトロニクス系〕が参入。その後、古河電工、NTTデータが出資した。その後、電力系連合であるパワードコムとの事業統合の関係で筆頭株主が変わり、東京電力が筆頭株主となった。現在は楽天傘下となり、楽天コミュニケーションズと改称している。
 【0083】・平成電電は平成13年12月25日サービス開始、平成17年10月に破綻し、サービスは平成電電コミュニケーションズ〔ドリームテクノロジーズ〕→日本テレコム〔ソフトバンク〕に引き継がれた。
 【009191】・ぷららは平成13年12月10日サービス開始。社名はぷららネットワークス→NTTぷらら、主要株主は〔NTT東日本〕→〔NTT Com〕→〔NTTドコモ〕と変わってきたが、NTT系であることは変わらない。
 【0060】・メディアは平成14年1月30日サービス開始。UCOMと合併してUCOMとなり、さらに丸紅アクセスソリューションズと合併して現在はアルテリア・ネットワークスとなっている。
 以上3社は「マイライン」開始後に登場した新規参入組である。
 なお、ソフトバンクは「おとくライン」、KDDIは「ケーブルプラス電話」、「KDDI光ダイレクト」の名で直収電話サービスも行っている。かつては平成電電も「CHOKKA」直収電話サービスを行っていた。
 以上の会社の移り変わりについては、法人登記ではなく電話サービスを基準に説明しているので注意。登記上は日本テレコムは〔国鉄〕の子会社である初代日本テレコム国鉄〈日本国有鉄道〉承継法人であるJR通信〈鉄道通信〉を商号変更した二代目日本テレコム日本テレコムホールディングス(←二代目日本テレコム)から分割された三代目日本テレコムがある。二代目日本テレコムボーダフォンを経てソフトバンクモバイルになり、現在のソフトバンクとなっている。
 
 
★国際系電話会社
識別番号 略称 会社名 出資母体or系列の電話会社
001
 
KDDI
(←KDD)
KDDI
(←国際電信電話)
京セラ・トヨタ
 
0033 NTT Com NTTコミュニケーションズ NTT
0041
 

(←ITJ)
ソフトバンク
(←日本国際通信)
ソフトバンク
(←三菱商事、三井物産、住友商事、松下電器)
0061
 

(←IDC)
ソフトバンク
(←国際デジタル通信)
ソフトバンク
(←トヨタ自動車、伊藤忠商事、C&W)
0078(終)
 
KDDI
(←DDI)
KDDI
(←第二電電)
京セラ・トヨタ
(←京セラ)
0080(終)   T-Systemsジャパン ドイツテレコム
009191
 
ぷらら
 
NTTぷらら
(←ぷららネットワークス)
NTTドコモ
(←NTT東日本)
0083 (←平成電電) ソフトバンク ソフトバンク
0060
(←メディア)
アルテリア・ネットワークス
(←メディア)
丸紅
(←USEN)
0038
 

(←fusion)
楽天コミュニケーションズ
(フュージョン・コミュニケーションズ)
楽天
(←日商エレクトロニクス)
 NTT系列各社とソフトバンク、KDDIは一般加入回線からは特に加入しなくても使える。
 電電公社時代から国際電話を担当していた会社が【001】・KDD〈国際電信電話〉(電電公社系)。日本で唯一の国際電話サービスを提供する会社であった。設立は昭和28年であり、もっとも古い電話会社とも言える。平成10年12月1日より、正式社名をKDDに変更した。平成12年10月1日にDDI〈第二電電〉(京セラ系)に合併、KDDI〈DDI〉となり、電電公社・NTTと縁を切った。正式社名は平成13年4月1日にKDDIに変更。
 【0041】・ITJ〈日本国際通信〉と0061・IDC〈国際デジタル通信〉はどちらも昭和61年設立の新電電。いずれも日本テレコムに合併されて、現在はソフトバンクになっている。
 【0041】・ITJ〈日本国際通信〉は平成9年10月1日に日本テレコムに合併。
 【0061】・IDC〈国際デジタル通信〉はNTT-I〈NTTインターナショナル〉が技術協力しており、規制緩和で〔NTT〕が国際部門に進出できるようになったときの足がかりにするつもりだったようだ。しかし〔C&W〕がIDCを子会社化したことにより、独自に国際進出することになった。後にNTT-Iの海外事業はNTT Comに営業譲渡された。平成11年9月1日、社名をC&W IDC〈ケーブル・アンド・ワイヤレスIDC〉と変更。平成17年2月17日、社名を日本テレコムIDCと変更し、ソフトバンク系となった後、平成17年7月1日、日本テレコムに合併された。
 【0033】・NTT Comは平成11年10月、国際サービス開始。
 【0078】・DDI〈第二電電〉は平成10年10月22日に新規参入。平成12年10月1日に、KDD〈KDD〉と合併。以下の歴史は前に述べた通り。合併後も「0078国際電話サービス」として続いていたサービスも平成16年2月末終了した。
 【0080】・T-Systemsジャパンは平成14年5月1日、ドイツテレコムジャパンから電話サービスを営業譲渡された。ドイツテレコムがいつ電話サービスを開始したかは不明。平成27年2月28日にサービス終了した。
 【0083】・平成電電は平成13年12月25日サービス開始、平成17年10月に破綻し、サービスは平成電電コミュニケーションズ〔ドリームテクノロジーズ〕→日本テレコム〔ソフトバンク〕に引き継がれた。
 【009191】・ぷららは平成13年12月10日サービス開始社名はぷららネットワークス→NTTぷらら、主要株主は〔NTT東日本〕→〔NTT Com〕→〔NTTドコモ〕と変わってきたが、NTT系であることは変わらない。
 【0060】・メディアは平成14年1月30日サービス開始。UCOMと合併してUCOMとなり、さらに丸紅アクセスソリューションズと合併して現在はアルテリア・ネットワークスとなっている。
 以上3社は「マイライン」開始後に登場した新規参入組である。
 楽天コミュニケーションズの国際電話参入時期は不明。
 
 
★衛星系電話会社(詳細不明)
  略称 会社名 出資母体or系列の電話会社
  JSAT 日本サテライトシステムズ NTT Com
  SCC 宇宙通信 三菱グループ
 事業許可申請したのは、SCC〈宇宙通信〉〔三菱グループ〕、JCSAT〈日本通信衛星〉、SAJAC〈サテライトジャパン〉〔ソニー系〕の3社。だが郵政省が2社までしか認めなかったため、最後発のSAJACが保留となった。SAJAC出資会社の一部は、【0041】・ITJに流れている。その後、SAJACも認可を受けたものの、乱立を避けるためJCSATと合併。JSATになった。平成12年8月4日、正式社名をJSATに変更。平成20年10月1日、両者が合併してスカパーJSATとなった。
 
 
★携帯電話会社
略称 会社名 出資母体or系列の電話会社 サービスエリア
ドコモ○○ NTTドコモ○○ NTT W-CDMA(全国)、LTE(全国)、5G
KDDI
(←IDO、
  ○○セルラー)
KDDI
(←日本移動通信
  ○○セルラー電話)
京セラ、トヨタ自動車
(←トヨタ自動車
  DDI)
CDMA2000(全国)、LTE(全国)、5G

 
沖縄セルラー 沖縄セルラー電話 KDDI(←DDI) CDMA2000(沖縄)、LTE(沖縄)、5G
ソフトバンク
(←○○デジタルホン)
ソフトバンク
(←日本テレコム)
W-CDMA(全国)、LTE(全国)、5G
 
楽天モバイル 楽天 LTE(全国)、5G
 かつては資本母体とはあまり関係なくグループを組み、ローミングサービスを行っていたが、KDDIの誕生によりすっきりした。ローミングサービスとは、他社の端末でも乗り入れの出来るサービスである。例えば沖縄セルラーの携帯電話を持っていたとしよう。東京では沖縄セルラーは営業していない。平成4年12月まではセルラーの電話機(アナログTACS方式)は東京では使えなかった。こんなことからも携帯電話は全国規模のNTTのものがよいと言われた時代もあった。現在は東京でもKDDI(合併前はIDO)の回線を使ってセルラーの端末でかけることが出来る。
 
 資本母体と関係なくグループを組んでいたのがIDO・セルラーグループ(現auグループ)。関東・東海地区のIDO〈日本移動通信〉〔トヨタ系〕とセルラー8社〈○○セルラー電話〉〔DDI系〕が相互ローミングサービスを行っていた。関東・東海地区では〔DDI〕はグループ外となるツーカーグループに出資していたが、周波数が違うため、ツーカーグループとセルラーのローミングはできなかった。平成12年10月1日、IDO〈日本移動通信〉はDDI〈第二電電〉、KDD〈KDD〉と合併、KDDI〈DDI〉となった。正式社名は平成13年4月1日にKDDIに変更。IDO・セルラーグループは全社がKDDI系となった。平成12年11月1日、沖縄以外のセルラーが合併し、au〈株式会社エーユー〉となった。平成13年10月1日、auKDDIに合併。社名からauは消えたが、au事業本部として、またグループの携帯電話のブランド名として、名前は残っている。
 〔日本テレコム〕率いる旧デジタルホングループ(東京デジタルホン東海デジタルホン関西デジタルホンデジタルツーカー6社)は平成11年10月、社名を全国一律J−フォン○○と変更。東名阪以外からツーカーの名前が無くなった。平成12年10月1日、J−フォングループ(旧デジタルホングループ、現ソフトバンク)9社は、J−フォン東日本J−フォン東海J−フォン西日本の3社に再編。平成13年11月1日、全国1社のJ−フォンに再編された。その後、親会社日本テレコムの筆頭株主はイギリスの携帯電話会社〔ボーダフォン〕に変わっており、平成15年10月1日、社名をボーダフォンに変更した。その後、〔ソフトバンク〕がボーダフォン(日本法人)を買収。平成18年10月1日、社名をソフトバンクモバイルに、平成27年7月1日にソフトバンクに社名変更した。
 旧ツーカーグループ(ツーカーセルラー東京ツーカーセルラー東海ツーカーホン関西デジタルツーカー6社)の出資会社は〔日産自動車〕であった。しかし不振により日産自動車は株を売却、東名阪の会社は〔DDI〕が、それ以外は〔日本テレコム〕が株を買うことになった。その後、デジタルツーカー6社はJ−フォン○○と改称。ツーカーの名前が残った東名阪の3社は「Tu-Ka by KDDI」として、社名はそのままで営業していたが、平成17年10月1日、3社ともKDDIに合併し、ツーカーの名前はKDDIのサブブランドとなった。なお、東名阪以外のJ−フォンは、ボーダフォンと名を変えた後も東名阪のツーカーからのローミングを引き受けていた。
 携帯電話業界は大手3社の時代が長く続いているが、何度か新規参入が行われている。
 現在のソフトバンクがまだボーダフォンだった時代、BBモバイル〔ソフトバンク系〕が参入を計画し、平成17年11月に免許も取得したが〔ソフトバンク〕によるボーダフォン(日本法人)の買収により免許を返上した。
 平成19年3月31日から、イー・モバイル〔イー・アクセス系〕がW-CDMAでサービス開始。平成23年3月31日に親会社のイー・アクセスに吸収合併された後、平成26年7月31日、ワイモバイルに社名変更した。平成27年4月1日にソフトバンクモバイル(現ソフトバンク)に吸収合併され、4社体制は終了(正確には沖縄県のみウィルコム沖縄が存在したため4社体制)した。その後、旧イー・モバイル回線は平成30年1月31日をもって停波、サービス終了し、現在ワイモバイルの名前はソフトバンクのサブブランドとしてY!mobileが残るのみである。
 令和元年10月1日から楽天モバイル〔楽天系〕が先行サービス開始、令和2年4月8日から正式サービスを開始している。
 
 KDDIは「au」と「UQ mobile」、ソフトバンクは「SoftBank」と「Y!mobile」のそれぞれ2ブランドを展開している。ドコモの「ahamo」はどう見てもサブブランドだが、「docomo」ブランドの1プランだと称している。
 
 平成11年3月頃から、NTTドコモ○○〈NTT○○移動通信網〉は、ドコモ○○〈NTTドコモ○○〉と社名変更。ドコモが正式名称になった。かつてはNTTドコモグループと称していたが、この頃からドコモグループと称しているのに合わせ、この文章ではNTTドコモではなく、ドコモと称することにする。
 
 
★CRP会社
営業譲渡元会社 営業譲渡先会社 営業エリア
十勝テレホンネットワーク 北海道セルラー(現KDDI) 帯広市周辺
テレコム青森 ドコモ東北(現ドコモ) 青森市・弘前市・五所川原市・黒石市周辺
釧路テレコム ドコモ北海道(現ドコモ) 釧路市周辺
山口ニューメディアセンター ドコモ中国(現ドコモ) 山口市・防府市・宇部市・新南陽市・徳山市周辺
長岡移動電話システム ドコモ中央(現ドコモ) 長岡市周辺
テレネット遠州 IDO(現KDDI) 浜松市周辺
テレコム八戸 東北セルラー(現KDDI) 八戸市周辺
 CRPとはConvenience Radio Phone:簡易陸上移動無線電話の略である。携帯電話から位置登録・ゾーン間制御などの機能が省略されたものである。一般加入電話との通話は可能。大ゾーン方式なので一人が使っていると話し中になって他の人は使えない。そのため時間制限がある。郵政省が「800MHz帯は使える周波数帯の数に限りがあるので携帯電話会社は2社しか認めない」と言っていたのに、地域によっては3社目がこんな形でちゃんと800MHz帯に存在している。PHSや携帯電話の普及により各社とも赤字で、NTTドコモ中国は平成7年6月、山口ニューメディアセンターから業務を引き継いでいる。残った各社も平成9年7月1日に、上に示す各社へ経営譲渡された。
 
 
★船舶電話、テレターミナル会社
営業譲渡元会社 営業譲渡先会社 営業エリア
センツウ〈日本船舶通信〉 センツウ〈日本船舶通信〉  
東京湾マリネット IDO(現KDDI)  
関西マリネット 関西セルラー(現KDDI)  
関西シティメディア 関西セルラー(現KDDI)  
瀬戸内マリネット 中国セルラー(現KDDI)  
日本シティメディア ドコモ中央  
 経営難のためか、センツウを除き、携帯電話会社に経営譲渡されてしまった。IDOは平成9年12月、セルラー各社は平成10年6月に携帯電話に統合し、マリネットホンを廃止している。
 センツウは平成11年に船舶電話のサービス終了。その後、「ドコモ・センツウ」と改称した後は合併をくり返し、「ドコモ・モバイル」→ドコモエンジニアリングドコモCSとなっている。
 
 
★PHS会社
識別番号
 
略称
(ブランド名)
会社名
 
出資母体or系列の電話会社
 
 
 
NTTパーソナル
→ドコモ○○
NTT○○パーソナル
→NTTドコモ○○
NTT
 
 


 
DDIポケット
→ウィルコム
→Y!mobile
 
DDI○○ポケット電話
→ウィルコム
→ワイモバイル
→ソフトバンク
京セラ・DDI
カーライルグループ
ソフトバンク
 
 
 
アステル○○
 
アステル○○
→電力系新電電
電力各社・日本テレコム
 
 登場時は、NTTパーソナル○○〈NTT○○パーソナル通信網〉9社、ポケット〈DDI○○ポケット電話〉9社、アステル10社だった。
 平成10年12月1日、NTTパーソナルは全社ドコモへ営業譲渡、平成17年4月30日で新規加入を停止し、平成20年1月7日にサービス終了した。
 平成12年1月1日、ポケットは1社に合併。平成16年、アメリカの〔カーライルグループ〕に買収され、平成17年2月2日、会社名をウィルコムに変更した。
 アステルアステル沖縄を除き、電力系新電電への営業譲渡・合併が続いた。その後、事業廃止をする会社が相次ぎ、平成18年12月20日のアステル東北サービス終了でアステルの名前は消えた。なお、アステルグループのローミングは平成16年11月末で終了しており、すでにグループとしての形は崩壊していた。アステルの経過は以下の通り。
旧事業者 消滅形態 日付 新事業者 新規停止 廃止日 代替
アステル北海道
 
営業譲渡
 
H11.11.01
 
HOTNet〈北海道総合通信網〉 H15.08.30
 
H16.03.25
 

 
アステル東北
 
営業譲渡
 
H12.09.01
 
TOHKnet〈東北インテリジェント通信〉 H17.07.28
 
H18.12.20
 
ウィルコム
 
アステル東京

 
合併
売却
 
H11.04.01
H14.08.01
 
TTNet〈東京通信ネットワーク〉
YOZAN〈鷹山〉

H17.04.20
 

H17.11.30
 

ボーダフォン
 
アステル北陸
 
営業譲渡
 
H13.12.01
 
HTNet〈北陸通信ネットワーク〉 H15.11.30
 
H16.05.26
 

 
アステル中部
 
合併
 
H12.11.01
 
CTC〈中部テレコミュニケーション〉 H16.05.12
 
H17.05.27
 
ウィルコム
 
アステル関西 営業譲渡 H12.11.01 ケイ・オプティコム H16.04.06 H16.09.30 携帯各社・ポケット
アステル中国
 
合併
 
H15.07.01
 
エネルギア・コミュニケーションズ H16.05.19
 
H16.12.09
 

 
アステル四国
 
営業譲渡
 
H14.03
 
STNet〈四国情報通信ネットワーク〉 H16.07.28
 
H17.05.26
 

 
アステル九州
 
営業譲渡
 
H13.04.01
 
QTNet〈九州通信ネットワーク〉 H14.11.30
 
H15.11.19
 

 
アステル沖縄
 
営業譲渡
 
H17.01.25
 
ウィルコム沖縄
 
H16.11.15
H30.03.31

R03.01.31

ソフトバンク
 アステル東京TTNetに合併したが、TTNetはその後、PHS事業をYOZAN〈鷹山〉に売却している。鷹山は平成17年7月に商号を「株式会社YOZAN」 に変更。
 アステル東京は、TTNetが事業者だった平成12年5月20日から平成14年7月末まで、ブランド名も「東京電話アステル」と変更していた。
 STNet〈四国情報通信ネットワーク〉は平成14年4月1日、正式名称をSTNetに変更。
 アステル沖縄のみは営業を続けたが、平成16年11月15日にいったん新規加入を停止、平成17年1月25日にポケットグループ(当時)として新設されたウィルコム沖縄に営業譲渡された。ポケットウィルコムに改称されるのは翌月のことなので、沖縄地区は全国に先がけて、ウィルコムとして営業開始したことになる。なお、ウィルコム沖縄の出資母体は、〔ウィルコム〕、〔沖縄電力〕、〔琉球放送〕となっている。
 YOZANのPHS網を使用した「VSフォン」はサービスを継続したが平成18年5月31日に終了。アステル中国アステル関西はデータ通信サービスのみ継続したが前者は平成19年2月28日新規加入を停止、同年9月30日にサービス終了、後者は平成22年8月31日新規加入を停止、平成23年9月30日にサービス終了した。
 ウィルコムは平成26年6月1日、イー・アクセスに吸収合併、同7月1日にワイモバイルに社名変更した。平成27年4月1日にソフトバンクモバイルに吸収合併、同7月1日にソフトバンクに社名変更したが、PHSのブランド名はY!mobileのままであった。
 唯一残ったY!mobile(ソフトバンクウィルコム沖縄)であったが、平成30年3月31日に新規加入を停止。当初は令和2年7月31日でサービス終了すると告知していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で令和3年1月31日までサービス終了が延期された。
 Y!mobileのPHSサービス終了により、登場から25年、日本のPHSサービスは終了した。
 
 
★無線呼出会社
 
 NTT系
識別番号 略称 会社名 出資母体or系列の電話会社
  ドコモ○○ NTT○○移動通信網 NTT
 ドコモは、平成16年6月30日で新規加入を停止、平成19年3月31日でサービス終了。
 
 新電電系
会社名 営業エリア(都道府県)    廃止
北海道テレメッセージ 北海道 H12.06.30
東北テレメッセージ 青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島 H12.05.31
茨城テレメッセージ 茨城 不明
栃木テレサービス 栃木 H12.03.31
群馬テレサービス 群馬 不明
東京テレメッセージ 東京・神奈川・埼玉・千葉 R01.09.30
新潟テレサービス 新潟 H12.03.31
山梨テレ通信 山梨 H12.03.31
長野テレメッセージ 長野 H12.03.31
富山ページングサービス 富山 H12.03.31
石川テレメッセージ 石川 H12.04.30
福井テレメッセージ 福井 H12.03.31
静岡テレメッセージ 静岡 H12.06.??
中部テレメッセージ 愛知・岐阜・三重 H12.03.31
関西テレメッセージ 滋賀・京都・大阪・奈良・兵庫・和歌山 H12.02.08
山陰テレメッセージ 鳥取・島根 H12.06.30
岡山テレメッセージ 岡山 不明
テレメッセージ広島 広島 不明
山口テレメッセージ 山口 H12.07.31
徳島テレメッセージ 徳島 H12.09.30
香川テレメッセージ 香川 H12.04.10
愛媛テレメッセージ 愛媛 H12.03.31
高知テレメッセージ 高知 H12.03.31
九州テレメッセージ 福岡 H12.01.31
佐賀テレメッセージ 佐賀 H12.08.31
長崎テレメッセージ 長崎 H12.03.31
九州ネットワークシステム 熊本 H13.03.31
大分テレメッセージ 大分 H12.08.31
宮崎テレメッセージ 宮崎 H12.10.31
鹿児島テレコール 鹿児島 H12.10.31
沖縄テレメッセージ 沖縄 H29.04.05
 新電電系の無線呼出会社は、東北・首都圏・中京・関西を除き、各県毎に設立されている。東北も各県毎に設立されたが、平成5年7月1日に東北テレメッセージに合併している。
 新電電系は倒産、事業の廃止が相次ぎ、平成13年以降も営業を続けるのは東京ウェブリンク(当時)と沖縄テレメッセージのみとなっていた。なお徳島テレメッセージは平成12年11月1日、スタッフクリエイトと社名変更。人材派遣事業者として営業を続けている。
 東京テレメッセージは、平成12年5月1日に東京ウェブリンク、平成13年12月4日にマジックメールと改称した後、平成14年10月1日に鷹山に合併されている。その後、平成17年7月1日にYOZANに改称、平成20年10月1日に会社分割され、再び東京テレメッセージの名前に戻っている。
 平成29年4月5日に沖縄テレメッセージが、令和元年9月30日に東京テレメッセージがサービス終了したことにより、51年間の無線呼出の歴史が終了した。
 
 
★MVNO(仮想移動体通信事業者)
 MVNOとは通信回線を借りて自社ブランドとして携帯電話サービスを行っている会社である。MVNOは100社以上あるのでシェア上位の会社のみ掲載する。
ブランド名 会社名 出資母体or系列の電話会社
楽天モバイル 楽天モバイル 楽天
mineo オプテージ 関西電力
OCN モバイル ONE NTTコミュニケーションズ NTT
LINEモバイル LINEモバイル ソフトバンク・LINE
BIGLOBEモバイル ビッグローブ KDDI
IIJmio インターネットイニシアティブ NTT
イオンモバイル イオンリテール イオン
nuroモバイル ソニーネットワークコミュニケーションズ ソニー
J:COM MOBILE ジュピターテレコム KDDI・住友商事
BIC SIM ラネット ビックカメラ
LIBMO TOKAIコミュニケーションズ TOKAI
y.u mobile Y.U-mobile USEN-NEXT・ヤマダ電機
NifMo ニフティ ノジマ
 顔ぶれを見てみると、3大巨頭の〔NTT〕、〔KDDI〕、〔ソフトバンク〕が揃っているほか、後に携帯電話に参入した〔楽天〕も名を連ねている。元PHS事業者のオプテージ〔関西電力系〕やCATV系の〔ジュピターテレコム〕、同じくCATVも持っている〔TOKAI〕の名前もあるのが興味深い。
 
 
0−2 出資社別勢力地図
 
○NTT
長距離系−NTT Com
国際系 −NTT Com
携帯電話−ドコモ
PHS −ドコモ(←パーソナル)
無線呼出−ドコモ
 
 通信業界の親玉である。全通信分野を牛耳っていた。NTTドコモの携帯電話は本家NTTの番号案内や天気予報・時報も使えるし、クレジットコールでもかけられる。「電話と言えばNTT」という状況を崩せないのは、地域網がNTTグループに牛耳られているのと同時に、他のグループがNTTのような相互関係を築けないのが原因であろう。
 平成11年7月1日より、長距離系はNTT Comに引き継がれた。平成11年10月よりNTT Comの国際サービスが始まった。
 
 
○京セラ・トヨタ
長距離系−KDDI
国際系 −KDDI
携帯電話−KDDI・沖縄セルラー
PHS −撤退(←ポケット)
無線呼出−
 
 旧DDIは京セラと電電公社OBで、「NTTに対抗できる電話会社を」という目的で生まれたものである。その名もかつては「第二電電」。京セラの展開は、ユーザーの手元へ手元へという動きである。
 まずDDIとして長距離網を整備。その業務を開始した。だが、ユーザーの手元の回線は相変わらずNTTである。なんとかユーザーの手元の端末をとセルラー各社を設立。ただしセルラーは全国展開できなかった。1.5GHz割り当て時にツーカーグループのツーカーセルラー東京ツーカーセルラー東海に出資して全国展開をしたことにはしたが、当時は携帯電話は一般ユーザーには普及しないし、セルラーツーカーセルラーは周波数帯も違い全然別物。セルラーの全国展開失敗に懲りたのかPHS開業時には真っ先に名乗り出て一気に全国展開。PHSは学生などにも着実に広がり、DDIの目的は達成した。ツーカー株取得とKDDI誕生により、携帯電話は800MHzで全国、1.5GHzで東名阪を手中に収めたことになり、ドコモと立場的には対等になった。
 トヨタもそれなりに通信業界に熱心な会社である。長距離系のKDDを始めとして、各分野に進出している。トヨタの特徴は、国際系の旧ITJ・旧IDCのどちらにも中核企業として入っていたこと。何かと意見が対立し、ライバル会社である両社だが、トヨタはどちらが潰れてもいいように両方に顔を出していた。
 また、携帯電話分野では、IDOで中心的役割を果たす一方、J−フォンにも出資していた。
 PHSでは単独で会社を作ることを断念し、アステルに出資していた。
 トヨタは平成10年12月1日のKDDテレウェイの合併により、KDD(現KDDI)にも出資している形になった。国際系分野では3社に出資していることになってしまったが、現在ではKDDIのみに絞っている。トヨタは国際系電話会社を乗り換えた形になってしまった。
 PHSはDDIポケットグループを立ち上げたが、現在は撤退している。
 
 
○JR
長距離系−撤退(←日本テレコム)
国際系 −撤退(←日本テレコム)
携帯電話−撤退(←デジタルホン各社、デジタルツーカー各社)
PHS −撤退(←アステル)
無線呼出−撤退(←テレメッセージ)
 
 JR通信〈鉄道通信〉と日本テレコムを合併させて日本テレコムとした後、日本テレコムに出資させることによって「ラストワンマイル」以外の全通信分野を手に入れた。携帯電話800MHz帯を取れなかった際には、携帯電話界参入をあきらめ、代わりに無線呼出に手を出していたが、1.5GHz帯の割り当てと同時に、デジタルホングループ(現ソフトバンク)として携帯電話界にも躍り出た。デジタルツーカー四国(現、ソフトバンクの一部)の開業を最後に、全国展開も完了している。
 しかし21世紀に入って電話関係から完全に撤退してしまった。長距離系・国際系はソフトバンク、携帯電話はボーダフォン、PHS・無線呼出は主にYOZANほかの手に渡ってしまった。鉄道電話を日本テレコムが担当しているのがほぼ唯一の名残である。
 日本テレコムは国鉄が中心になって作った会社であり、登記上は国鉄承継法人である。ソフトバンクとなった現在でも55歳以上の社員は元国鉄マンが多いはずである。彼らはどのように感じているのであろうか。別の国鉄承継法人で働いたこともあるAsaPi!としては気になるところである。
 
 
○東京電力
長距離系−撤退?
国際系 −撤退?
携帯電話−撤退?(←IDO)
PHS −撤退(←アステル東京)
無線呼出−撤退?(←東京テレメッセージ)
 
 かつては携帯電話でIDO、PHSでアステル東京と、JR・京セラ・トヨタの三系統のすべてと手を組んでいた。パワードコムがあった頃は、電力系連合を作ろうとしていたふしもあったが、現在はKDDIに吸収されている。
 PHSはかつてアステルの中核企業だった。また無線呼出でも東京テレメッセージに出資していた。
 
 
○ソフトバンク
長距離系−ソフトバンク
国際系 −ソフトバンク
携帯電話−ソフトバンク
PHS −ソフトバンク
無線呼出−
 
 日本テレコムの株主になり、携帯電話もかつて日本テレコム系だったボーダフォン(日本法人)を買収することで参入。ワイモバイルでPHSにも参入し、現在ではNTT、京セラ&トヨタとともに3大勢力になっている。
 
 
○YOZAN
長距離系−
国際系 −
携帯電話−
PHS −撤退(←アステル東京)
無線呼出−撤退(←マジックメール)
 
 何故かPHS(アステル東京)と無線呼出(マジックメール)という、全国ローミングが崩壊したサービスを、関東でのみ引き継いだ。結果的に平成29年9月20日に破産、平成30年6月15日に消滅した。
 
 
0−3 料金時間帯
 
 時間が変われば通話料も変わる。これは常識である。そして、長距離系電話会社も、国際系電話会社も、PHSも、時間帯による通話料金は次の3種類の分け方をしている。この時間帯を、「みかかの鉄人」では、次のように呼ぶことにする。
 
                  みかかの鉄人での呼び名
 
  平日 8:00-19:00  ………………………… 平昼
  平日19:00-23:00、土日祝 8:00-23:00 … 休夕
  毎日23:00- 8:00  ………………………… 深夜
 
 なお、NTTも【001】も【0041】も、正月3ヶ日は、土日祝扱いをしている。おそらく、全ての電話会社で同じだと思われる。
 
 NTTの呼び名
(平昼)昼間
(休夕)夜間(エコノミーアワーズ)
(深夜)深夜・早朝(エコノミーアワーズ)
 
 TWJの呼び名DDIの呼び名JTの呼び名
(平昼)平日昼間ビジネスアワーオフィスタイム
(休夕)夜間・休日ホームアワーファミリータイム
(深夜)深夜・早朝ナイトアワースーパーファミリータイム
 
 KDDの呼び名ITJの呼び名IDCの呼び名
(平昼)昼間料金昼間時間帯通常料金
(休夕)夜間・休日割引料金夜間・休日時間帯割引料金
(深夜)深夜割引深夜・早朝時間帯特別割引料金
 
 なお、携帯電話だけは、休夕をさらに2つに分けた、4種類の分け方をしていることが多い。これについては「携帯電話の巻」冒頭で説明する。
 
 
0−4 通話料金の比較について
 
 電話会社はほとんどの会社で、10円を最小単位として課金する。よってこの「みかかの鉄人」では、特に断りがない限り、(秒/10円)という単位で電話料金を表している。
 
 ちなみに世間一般では、3分○○円という書き方の料金表が多い。これはその書き方の方が実感がわきやすいからであろう。列車の運賃が、「kmあたり○○円」ではなく、「○○kmまで××円」という表示になっているのと同じである。その代わりに料金表としては正確では無くなってしまうのだが、そこまで細かく言う人がいないというのが現実なのだろう。
 では何故3分なのだろう?市内通話が1度数3分から来ているのだろうが、では、何故1度数は3分と決まったのか。電電公社が1通話いくらという方式から、時間による料金に変更する際、通話を調べてみると、そのほとんどが3分以内に終わっていたかららしい。これが事実とすると、現在、多くの料金表が「3分○○円」方式にしているのは、実は、「1通話だいたい○○円以下で出来ますよ。」といっているのと同意であり、正確な料金表でなくてもそれなりに役目は果たしているのだろう。
 ただ、私個人の実感では、ほとんどの通話が3分以内に終わるというのはどうも信じられない。時代が変わって、今ではもっと長く話す人が増えていると思う。日本テレコムなどは10分の通話料をアナウンスしていたが、これは時代の変化をうけたものなのだろうか?
 
 基本課金単位(1度数)が10円でないケースも希にある。例えば、いくつかの地域系電話会社や携帯電話のローコールプラン、交換手を通す通話の料金、通称「100番通話料」および国際系電話会社の料金がそれである。100番通話料は「3分○○円」と決まっており、3分を越えると1分毎にその1/3が加算される。国際系電話会社は「6秒○○円」と決めており、1分を越えるとこの「6秒○○円」が安くなる。
 
 
0−5 略称考察
 
 会社名の略称には、次のパターンがある。
 
1 英語訳の頭文字
2 社名日本語そのままの頭文字
2’旧社名日本語そのままの頭文字
3 1、2の混在
4 名称の頭文字と全然関係ない物
4’名称の頭文字と全然関係ない略称だが、正式名称になったもの
5 合併前の旧略称を組み合わせたもの
6 会社名自体が略語のような造語
 
 旧JT(Japan Telecommunication)、旧ITJ(International Telecommunication Japan)、旧IDC(International Digital Communication)が1番。旧KDD(Kokusai Densin Denwa)は2番および2’番である。NTT(Nippon Telegraph and Telephone)、旧DDI(Daini Denden Inc.)は3番にあたる。
 旧日本移動通信の略称IDOは4番にあたる。日本移動通信をどういう風に英訳してもIDOにはならない。「移動」をそのまま「IDO」にこじつけたのは確実である。AstelAdvanced Style of Telecommunications)も4番もどき。社名を考えついた人は「明日の電話」という意味で「アステル」と名付けたからだ。英語名は後からのこじつけである。実際、いくつかのパンフでその事実は確認されている。ちなみに「Telecommunications」は必ず複数形である。旧TWJ(テレウェイ)は"Teleway Japan"の略だが、高速道路は"teleway"ではなく"high way"ではないのだろうか。telewayはCM上の造語的性格が強い。よって4番。NTT DoCoMo の"DoCoMo"は"Do Communications over the Mobile network"の略という説明がなされているが、「どこでも」の「どこも」の意であることは明らかである。これも4番だったが正式名称になってしまったので4’番。
 KDDIは5番の唯一の例である。旧C&W IDCは英語名"Cable & Wireless IDC Inc."であり、親会社の略称と旧略称をくっつけてしまったという、いずれにも入らないタイプ。
 旧ボーダフォン(Voice Data Phone)、旧ウィルコム(Wireless IP Local Loop Communication)が6番。英語のイメージから強引に言葉を作った感じがする。ぷらら(PLAZA LALA)も明らかに6番である。ちなみにfusionは造語ではなくちゃんとした英単語なので調べてみよう。ちなみにボーダフォンの英語の綴りは何故かVodafoneなので注意。
 
 

 
 
代表: 後藤 直久
 本章執筆担当 AsaPi!
 
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おかげさまでみか鉄は二十五周年を迎えました。